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カフカ「城」について 再再読

FB 「過去の今日」より

2016年10月25日 付

 

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4,5年まえに読んだ時、もっとも印象に残ったてはいたが、blog記事にする際にはテーマから逸れるため、置いておいた数頁。


気になり続けていたが、そこにかかれていた「意味」をまだ探っていなかった。

今読むと機が熟している気がした(?)

 

程なくその箇所は見つかったけれども、空白時間も長く、しばらく意味をのみ込めずにいた...。


入念に前後の場面をあたるうち、およその構造は、つかめてくる。

 

到達不能——届きそうで届かない...——という世界真理をめぐる未完の長編だが、ここまではほぼ、他所者=異邦者=『招かれたはずの/招かれざる』闖入者、として生きた主人公Kの意味が、少し変わる。

それは何だろうなと思っているうち、しだいに 闖入者→奇襲者 になりかわる時間が、つづられ始めているのに気づく。

 

闖入者にとって、異邦人であることを余儀なくされつづける、無辺の外部性——傍らを離れることなく何処までも付き沿われるのを感じ、あきらかに〈このもの〉を巡っているのだということを知っていながら、それ自身へはけして近づくことの出来ぬ、という あまりに馴染みぶかい——存在真理。

 

それがたしかに、城を巡る一貫したメサージュにほかならなく、じっさいこの終わりなき語全体に、Kの迂遠な非-到達としての異邦者・闖入者たる奇異性と、延々たるはぐらかしの刑の描出テーマ、超越的なものへむかうその隙間への、執拗な投企と挫折の連続体が綴られ、主人公の城への受け容れられなさと力関係を物語りつづけてはいるのだが、
ここへきて——
”ふとした隙”に(そう、はからずも闖入者が奇襲者となるとき、とは、*よりによって放心したとき!、*しかもあの「薬酒」の暗示にみちた場を経由し!...)*あっけない早道が、否むしろ裏口が、用意されていた..。
(※とはいえこの近道が 或るもの「それ自身」へと到達するかというとそうでもなく、せいぜいその *亜象/代理 に触れ合うか否か、という焦慮にみちた様態で!)

この二重拘束——あまりに人間的——な真理が、圧倒的な驚愕と、*待機→自由(=絶望でもある)、そして”*微かによぎる障害感”(この要素を付け加えるのを忘れない、カフカの用意周到さと表現力が圧巻)、*決断-決断不能との相克、etc…にふちどられつつ、きわめて表徴的に物語られていた。


全編中程。

(*...の部分はみな、人間くさいと同時にあまりにも哲学的-存在論的でもあるといえる...。)

 

 

【補足】
面白いことに、また ちょうど<ここの部分>こそは、官僚主義についての滔々たる描写ともとれる全編のにおいのなかで、単なるそれにとどまらず、その官僚主義なるものとは畢竟 恣意性にも癒着せざるをえない——独裁(専制)政治とも繋がるのだ——というかの告発性、カフカにしては抗議に満ちた意味深長な暗示にも満ちている点だった。

というわけで
これまで、滑稽なほど忍耐強い迂遠さのほうにしか興味が届かなかったが、この懶惰な【裏道】にかんする作者自身の洞察の鋭さと、その奇襲性の描出(状況論的切迫感)とは、この作家をマニエリスム文学に属させるにはあまりに諫言的かつ凄絶なものがあった。

| Rei八ヶ岳高原2 | 15:44 | comments(0) | trackbacks(0) | twitter-reiのHOME | - | - |
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